ことりのひとりごと 2003

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(2003/12/17) Diagnosis

よいお年を,といったら,もう次は新年になるということであるが,にもかかわらずまた書くのである。それというのも,このところ仕事場の Windows Xp (Pro) マシンが不調で往生していたのだがようやく解決をみるに至った,その事例を読者諸氏の参考に供したいと考えるからである。症状は以下のようなものであった。

いわゆる「泥沼的状況」であって,こうした場合の標準的な対応は「リカバリーディスクから Windows を再インストールして出荷時の状態に戻す」である。メーカーのサポートもおそらくそう言うだろう。すべての設定,周辺機器のドライバ,アプリケーションは消滅し,再インストールしなければならない。面倒である。ふつうのユーザは憤懣にかられるであろう,何も悪いことはしていないはずなのに,なぜ(半日もかけて)そんな面倒なことをしなければならないのか? もっと簡単に原因を調べる方法はないのか? しかし結果的には,再インストールが最短の解決方法なのだ。やむを得ない。必要なデータファイルを他のマシンにバックアップし,半日をかけて再インストールを実行した。・・しかし,何ということであろうか。状況は改善されなかったのである。

となると,次に疑うべきはハードウェア障害である。メモリか,ハードディスクか。まずはメモリのチェック。マシンの起動時にメモリのチェックをやっているのではないか,とお考えのあなた,甘いのだ。あれは(BIOS にもよるだろうが)単純なパターンを書き込んでは読み出す処理をだぁーっと流しているだけで,ガンの集団健診みたいなものだから見落としも多い。実用レベルのチェックには専用のツールが必要である。そこで,Memtest86 をダウンロードして実行してみると ・・出る出る,特定の2つのアドレスでエラーがぼろぼろ出まくる!

マシンを開いて2枚挿してあるメモリモジュールのうち1枚を抜いてみると,エラーは出なくなった。というわけでようやく犯人が特定されたのである。「最近どうもマシンの調子がおかしい」とお悩みのあなた,メモリチェックをしてみましょう。


(2003/12/10) 年賀状は,お速めに。

12月。JR の車内広告にも師走の風がそよぐ季節なのであって,はがき印刷ソフトやプリンタなどの新製品が目につく今日この頃となった。「ぼくは,年賀状は出さない」という携帯電話キャリアの広告には悪寒を覚えた(こら,メールでやる気か?)けれども,まあ最近はネットワークのキャパシティも格段に増強されていることであるから,携帯メール程度なら目くじら立てるほどのこともないのかも知れない。それにしても,携帯端末内蔵カメラで撮影したちまっこい画像のデータが雲霞のごとくネットワーク内を飛び交っているさまを想像するに,やはり何か不気味なものを感じるのも事実である。

さて,季節の花形は何といってもカラー・インクジェット・プリンタであるが,JR 東日本の車内で見かけた某社の PIXUS の広告に記されたキャッチコピーは,「年賀状は,お速めに。」というものであった。そこでことりはう〜むと考え込んでしまったのである。これはもちろん「お早めに」という正しい表現に「このプリンタは(印刷速度が)速い」という意をかぶせて作られた「擬似誤表現」のコピーであろうが,ただでさえ間違えやすい「早い」と「速い」を前面に打ち出してしまうというのは,あまりにも大胆すぎないだろうか? 子供の教育に悪そうだなあ。これを見て「誤植だ!」とかいって電話をかけるヤツも多いことだろう。

そういえば,「出会い」と「出合い」の使い分けもあいまいになっているようだ。同一の音をもつ語を複数の表記で書き分けることができる,という日本語の特性はきわめて魅力的なものであって,上記コピーもその特性の下に成立し得るのであるが,長所は同時に欠陥でもあり,欠陥としての面が大きければやがて淘汰される。「早い」と「速い」も,いずれは統一されていくのかもしれない。

というわけで,年末恒例のクリスマス・グリーティングを装ったウイルス付きメールも増えてきた(昨日は,ウイルス対策ソフトの最新データでも検出できない変種を発見した)。うちの家族は最近流行っているという腹にくる風邪にヤられた(こっちは本物のウイルス)。みなさまご自愛の上,よいお年をお迎えください。


(2003/11/26) 書籍の解説について

早川書房のハヤカワ文庫には,わが敬愛おくあたわざるアイザック・アジモフ博士の著作をはじめ多くのSF邦訳でお世話になっているところであるけれども,その刊行物の中にあって近年いわゆるファンタジー系が隆盛を誇っているようである。それで書店に立ち寄った折,ハヤカワ文庫FTの新刊として「魔法の国ザンス15 ゴブリン娘と魔法の杖」(ピアズ・アンソニイ著,山田 順子訳)が平積みされているのが目にとまったのだが,それというのも派手なディスプレイに加え,帯に大きく「谷山浩子が絶賛」とあったからである。

どうやら巻末の解説を書いているらしい。ことりが「ひろこファン」であった時代は遠い昔なのであるが,ふと懐かしさを覚えて本を手にとったものである。残念ながらゴブリン娘には何の興味もそそられなかったので,躊躇なく解説のページを開いた。

するとそこには,衝撃的な内容が記されていたのである。正確に再現することはできないが,要するに谷山浩子は「このシリーズを3巻までしか読んでいない」というのだ。それでシリーズ第15巻の解説を書いていいのだろうか,と自分でツッコんでいるのだが,ことりはそこまで読んだ時点で,既に心が急速に冷えていくのを感じた。はぁ? ダメダメなのを自覚しながら解説を書いちゃうんですか? いいんですか,そんなんで?

それにしても,しばしば「スポーツ中継における解説者の不要論」が語られるが,書籍における解説の意義とは何であろうか。実用書の類なら,解説を読んで内容を概観し,しかるのちに購入するか否かを決めるということは理解できる。また,著者の作品リストや略歴,翻訳であれば翻訳者のコメントにはそれぞれ意味があるだろう。しかし,ファンタジーなどの文芸作品に感想文のような「解説」が必要なのだろうか? それは読者にいらぬ先入観,あるいは読後感を与えてしまうだけではないのか,とさえ思えるのだ。


(2003/11/18) かなヅかい

いよいよ冬であるが,冬の装いもさまざまである。先日電車内で強烈ないでたちの女性を拝するの栄に浴した。

ことりは座って熟睡していたのだが,ふと目覚めると目の前にもわっとした白いかたまりがある。目を上げるとそこには年齢不詳の女性が脱いだコートを腕にかけて立っており,それが真っ白でもわもわと毛の生えた大兎のようなやつで,その毛先がことりの鼻先をくすぐるのだ。女性の本体はというと,これがまた白い毛糸の半袖亀首セーター,丈が長くて太ももまであるからワンピースというべきなのだろうか。脚には金ラメが入った白いストッキングに白いロングブーツ。とまあみごとに白ずくめである。ううむ,なんと汚れの目立ちそうな衣装だろう・・ と思っていたら隣の席が空き,彼女はことりの横に座った。

さて,ことりは人間の服装についてはあまり意見をもたないのであって,巨大な白いもわもわが膝の上におさまりきらずにこっちへ飛び出してくるけれども,まあ気にしないようにして再び熟睡態勢に入ろうとした。ところがピピ,ピ,ピピと電子音が聞こえてくるので再び目を開けると,件の女性が白いもわもわの上で携帯メールを打ち込んでいる。あのボタンを押した際にいちいち音が出るのはやめてほしいものだが,ふと彼女は指を止め,妙な顔で携帯端末の画面を見つめている。どうやら漢字かな変換がうまくできないらしい。「崩れた」と書くつもりで「くづれた」と打ち込んでいるのだが変換されないのだ。それはああた「くずれた」が正しいのよ,と突っ込みたい衝動を抑えつつ,ことりは無関心を装って安らかに眠りについたのであった。

それにしても近年「漢字が書けない」という問題が指摘されて久しいが,それに対して「ワープロが普及しており変換できれば問題ない」という議論がある。しかし「変換すらできない」ほど低いレベルに転落してしまっては救いようがない。恐ろしいのは,やがて「利便性」の名のもとに「くづれた」を「崩れた」に変換してしまう辞書が出回るようになるのではないか,ということだ。現に MS-IME の「オートコレクト」なる凶悪な機能を有効にしていると,「くづれた」は「崩れた」に,「はなじ」は「鼻血」に変換されうる。・・しかし,音声認識が一般化すれば,こういったことも問題にならなくなるのだろうか。


(2003/11/05) IQ

某テレビで「全国一斉IQテスト」なる番組をやっていたが,特定の知識に依存する問題が多く,学生に有利なのは明らかだと思われた。たとえば

(36588+36591+36594)/3

なんて問題(数字は覚えてないのでオリジナルとは異なる)を20秒で,といわれたら

  1. まともに計算してたら20秒ではできない
  2. ということは,簡単な解法があるはずだ
  3. 3つの数の和を3で割るのだから,3つの数が等差数列ならば簡単だ
  4. っていうか,そうなってるはずでしょ

というふうに考えて,正解の 36,591 に達することが期待されているのだろう。ばかばかしいような気もするが,まあひとつの能力には違いない。

しかし,なにやら4つの単語を示して「仲間はずれはどれでしょう」という問題で,ひとつだけ3文字のやつがあったから(どんな単語だったかは忘れてしまったが,他はすべて4文字だった)それが正解に違いないと思ったのに,違っていたのはショックだった。まともに意味の上で分類して答えるべきだったらしいのだが,どうにも納得できない。

さて,話は変わって,某所でこんな画像を見かけた。

どうやら北朝鮮のテレビ番組らしいが,「選択肢に正解が存在しない」という妙な特徴をもっているので非常に気になる。こういった問題の場合,言外の仮定(父親が早死にする,とか)や過度の厳密性(父親と息子の誕生日が一致しない場合,何月何日現在で考えるかに依存する,とか)は考慮しないのが暗黙の了解だから,やはり正解は「変わらない」だろうと思うのだが・・

なお,「父親の歳は息子の歳の4.1倍」というところですかさず「整数の4.1倍が再び整数となるには,もとの整数は10の倍数でなければならない。すると可能な組み合わせは10歳と41歳,あるいは20歳と82歳。30歳と123歳というのは考えにくい・・」と考察を開始したあなた。あなたはきっとIQ が高いでしょう。


(2003/10/27) DHA とは何か

DHA と略称される物質については,いわゆる「健康食品」の要素として巷間その名をとどろかすところであるが,先日仕事場の近くのスパゲティ屋にて「エクストラバージン・オリーブオイル」の効能と称して薀蓄が書きしたためられている中に「ドコサヘキサ塩酸」とあるのを見て,わおっとおもった次第である。

ところがウェブを検索してみると意外に(というか,やはりというか)堂々と「ドコサヘキサ塩酸」と表記している場合があるようだ。塩酸じゃねえだろ,だったら DHA じゃねくて DHH じゃん,とかいうツッコミは確かに理系でないと通用しないだろうが,いずれにせよ誤りは正さなければならない。

もちろん偉大なる雑学の宝庫たる WWW には輝ける正当な知識も存在しているのであって,これを参照するならば DHA は「ドコサ・ヘキサエン・酸」なのであり,その意は 22個の炭素原子から成り 6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸である。

それにしても「脂肪」と「脂肪酸」を混同したり(しかもそれが故意っぽいからタチが悪い),「飽和脂肪酸は悪玉,不飽和脂肪酸は善玉」とかすぐ二元論に持ち込んだりと,我ら無知なる衆生を惑わすやからの多いこと。情報化社会について古くから言われてきたことではあるが,玉石混淆たる情報の中から取捨選択することの重要性を改めて認識させられたのであった。


(2003/10/23) 質問に答えよ

ことりは以前,中学生相手に塾講師をやっていたのだが,試験を受けるにあたり重要なポイントとして「質問に答えよ」ということがある。何を訊かれているのかを把握し,訊かれていることに対して必要十分な答えをせよ,ということだ。

「傍線部の行動をとった時の主人公の気持ちを30字以内で答えなさい」という問題であれば,気持ちを答えるのだから,答えの形は「〜(という)気持ち」とならなければならない。それは主人公の気持ちでなければならず,他の人物のものであってはならない。傍線部の行動をとった時のものでなければならず,他の時点の気持ちであってはならない。中学生くらいだと,とくに国語の授業でこういった論理的な分析の訓練を行っていないから,なにやらあいまいな解答を書いてしまうケースが少なくない。

それで,さっきうちの会社にやってきた飛び込みセールスの営業マン氏とことりとの会話。

「個人向けの財産運用を行っている会社なのですが,お役に立てないかと思いまして」

「お役には立たないと思います」

「いえ,今すぐにどうこうというのではなく,私どもを知っていただくために,いろいろとお話させていただけませんでしょうか」

「いただけません」

「・・そうですか」

彼は帰っていった。「質問に答える」というのは,しばしば冷酷な印象を与えるものである。世の政治家諸氏が少なからず「質問に答えない」のは,そのような印象を与えることを避けるためなのだろうか。


(2003/10/22) 営業マンの条件とは?

うちの会社にときどきやってくる某大手OA機器メーカー系販売会社の営業マンは,ラグビー部出身だという頑健そうな男である。ことりも決して小柄ではないが,彼は一段と大きい(ただし,もちろんO氏ほどではない)。

いい機会なので同メーカーから出た最新機種について質問してみたのだが,あろうことが営業マン氏は件の最新機種の存在を知らなかった。メーカーのウェブサイトに接続して紹介ページを見せると,氏いわく「我々は社内向けのホームページは見るんですが,外部用のはほとんど見ないんですよ」と臆面もなく言い放ち,興味深そうに自社のページを眺めている。まさか社内向けページに新製品情報がないわけはないだろう。言い訳である。

さらに,最近使われている新しいページ記述言語やオーバーレイ印刷の可否についてつっこんでみたのだが,彼にはまったくわからず,携帯電話で本社に訪ねるありさまであった。で,「我々営業マンはこうやって問い合わせることができるんです」と威張って言うのだ。そうか? 営業マンの存在意義ってガキの使いなのか?

営業マンは商品を売るのではなく人物を売るといわれる。確かに性能的に大差ない場合,売りに来た人物の与える印象が最終決定を左右することもあるだろう。そうであればなおさら,客のタイプに合わせて適切な売り込み戦略を選択するべきである。ラグビー好きの社長相手ならラグビーの話をしているうちに商談がまとまることもあるかもしれない。だが,うちみたいなあからさまに技術系の所に来るなら,もっと技術面の情報を仕入れてくるとか,技術に強い同僚を呼んでくるとか,作戦を考えるべきではないだろうか。


(2003/10/21) 続・諸行無常

Feature Price の件。8月28日付の告知によれば,結局:

最善の努力にもかかわらず,当初の予定通り買収計画を進められるような解決を得るのは不可能だということで,両者は合意しました。・・

ということで「婚約破棄」となってしまった。それも買収発表から3ヶ月も経ち,ユーザの移管は始まっているし,「式場のセッティングも終わり,招待客もロビーで待機している状態での婚約破棄」てな感じである。Feature Price の創業者で前CEOという人物から「新会社を作ったのでこっちにおいで」というメールが来たりしていたから,やはりひどく泥沼化していたことは間違いない。

・・ここに発表した以外のあらゆることがらは,厳重な機密事項です。Atlantic.Net,Feature Price 両者の従業員は機密保持条項を守らなければなりませんので,どうかこれ以上の情報を求めないでください。

というわけで,Feature Price にはまだわたしのアカウントが残ったままである。IPアドレスでならアクセス可能なので,何かに流用しようかな。


(2003/7/10) 諸行無常

ことりのホームページは現在 SEaNIC というホスティングサービスを利用している。5月までは Feature Price だったのだが,突然サーバが止まったりするようになり,ヘルプデスクにトラブルチケットを出しても返事がこなくなり,サポートページを見ても連絡先のメールアドレスがすべて削除されていたり,売り物の「サポートチャット」(ことりは使ったことないけど。さすがに英語でチャットはムリ)も閉鎖され,・・と,末期的症状を呈してきたので,先払い済みの契約期間が1年近く残っていたのにもかかわらず,見切りをつけたのである。

その後,Feature Price のページに告知が掲載された。

既にご承知のように,Feature Price はここ数週間,問題に直面しておりました。・・2003年5月21日を以て Feature Price は Atlantic.Net に買収されました。・・買収の一環として,Feature Price のホスティングアカウントは Atlantic.Net のホスティングサービスに移管されることになります。・・

なるほど,さもありなんである。諸行無常。こういう世界なのだ。

この時ことりは,契約期間を1年近く残して(すなわち,約 $50 をどぶに捨てて) SEaNIC に移ったことを,かすかに後悔したものである。Atlantic.Net は Feature Price の契約をそのまま引き継ぐらしい。しっかりした感じの会社である。少しがまんしてもよかったのではないか?

だが,やはり決断は正しかったのである。

7月1日付で Atlantic.Net のページに出た告知によれば

Feature Price のホスティングサービスを利用した Web ページは,現在すべてダウンしています。・・Atlantic.Net は,Feature Price の顧客をスムースに Atlantic.Net.へ移管するため,Feature Price の旧スタッフと協同して作業を続けて参りました。ところが本日,Feature Price の旧スタッフは,Atlantic.Net 側のスタッフが Feature Price の設備にアクセスすることを拒否し,その後まもなく Feature Prices のサービスは未知の理由によって停止しました。・・

つぶれた会社の顧客情報。それも多数の,Web ホスティングという継続性の高い現有顧客情報。価値は高いはずである。他の多くのホスティング会社も Feature Price の旧顧客を虎視眈々と狙っている(現にことりのところにも「引き抜きメール」が来ている)。Feature Price の旧スタッフはどこか第三社と結託して Atlantic.Net に叛旗を翻したのかもしれない。泥沼の戦いが繰り広げられているのであろう。巻き添えを食う一般ユーザはたまったものではない。

というわけで,生き馬の目を抜く IT 業界なのである。ビジネスでのご利用には,費用が高くても安定した国内の大手プロバイダをお勧めいたしまっす。


(2003/6/18) 究極のコンサルタントとは?

うちの会社の代表 I 氏は,PC に関してはあくまでも一般ユーザであってパワーユーザではないから,時々わけがわからなくなると「こじま君,これがああなっちゃって変だよ」(指示語が多いのは危険な兆候なのだが,それはまた別のお話)とことりを呼ぶ。

今日も今日とて,自分の高校の同期会のページを FTP で更新しつつ(昼間から会社でそんなことばっかりやってていいのか,という問題はまた別のお話),「こじまくうん,これをアップしたんだけどあれが出ないんだよ(訳:このファイルをサーバにアップロードしたんだけどブラウザで見ようとすると 404 エラーになるんだよ)」とのたまふので,ことりは彼の席に近づき,背後からモニタの画面を覗いた。

「いいかい,これをこうやってアップするだろ,」

「はい」

「それで,・・あっ俺違うところにアップしたかな? ええと,あ〜やっぱり違うところだった」

というわけで問題は解決した。そう,究極のコンサルタントは,黙ってそこに居るだけで,クライアント自らに最適のソリューションを見出さしめるのである。

「だってこじま君は威圧感があるからさぁ,後ろに立たれると思わず自分が悪いのかなって気になっちゃうんだよ」

ちなみに,彼が間違えてアップした際にうちの会社のトップページを上書きしたので,そのため社のトップページは数分間にわたってアクセス不能に陥ったのだった。ううむアクセス権剥奪するか?


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